仮想マシンのディザスタ リカバリによる保護を有効化する
仮想マシン (VM) のディザスタ リカバリ (DR) による保護を有効にして、DR サイトにある DR VM へのプライマリ VM のスナップショットの複製を開始します。
前提条件:
- 「One View とディザスタ リカバリの考慮事項と要件」の情報を参照し、計画している DR 構成がサポートされることを確認します。
- VM の作成とゲスト オペレーティング システムのインストールが完了していることを確認します。必要に応じて VM コンソールを開き、ゲストが正常に稼働していて正しく応答することを確認します。
- ゲスト オペレーティング システムで、電源ボタンのアクションによってゲストがシャットダウンされるように構成します。(詳細については、everRun のヘルプおよびお使いのオペレーティング システムのマニュアルを参照してください。)DR マイグレーションの際に DR ソフトウェアが電源ボタン アクションを使って VM を自動的にシャットダウンできないと、ユーザが VM コンソールに手動でログオンしてゲスト オペレーティング システムをシャットダウンするまで操作が遅延される可能性があります。
- everRun システムのストレージに、DR の操作を実行するのに十分な空き容量があることを確認します。たとえば、DR の保護を有効にすると、ボリューム コンテナのサイズが DR スナップショットを保管するのに十分でない場合、プライマリ VM に関連付けられている各ボリューム コンテナのサイズが自動的に拡張 (ボリューム サイズの約 3.5 倍に) されます。
VM の DR 保護を有効化するには
- お使いの everRun システムを One View コンソールにまだ追加していない場合、「One View コンソールにプラットフォームを追加する」の説明に従って追加します。プライマリ VM を含む everRun システムと、DR サイトにある VM スナップショットの複製および DR VM のメンテナンスを行うシステムも追加します。
- [仮想マシン] ページで、保護の対象となる VM (プライマリ VM) をクリックして、その詳細ページを開きます。
- VM の詳細ページで、[DR で保護] をクリックして DR ウィザードを開きます。
-
[ディザスタ リカバリ プラットフォーム] ページで、DR によってプライマリ VM を複製するシステムを選択し、[次へ] をクリックします。
注: 有効な DR サイト システムは、
One View コンソールで管理されるシンプレックス構成の
everRun システムでなければなりません。また DR サイトの各システムに、アクティベーション済みの DR が有効な製品ライセンスが必要です。詳細については、
「ディザスタ リカバリの製品ライセンスを登録する」を参照してください。
- [ディザスタ リカバリ オプション] ページで、次を行います。
- [リカバリ ポイント間隔] を入力します。リカバリ ポイント間隔 (RPO) は、VM からデータが失われる可能性のある、許容最長期間です。たとえば、変更データの損失を 1 時間の範囲に収めるには、ここに 1 時間と指定します。
- スナップショットの [保持] の設定を選択します。DR ソフトウェアは、ここに指定された数のスナップショットのみを保持します。スナップショットが最大数に達すると、DR ソフトウェアは新しいスナップショットを作成してから、一番古いスナップショットを "統合" (つまりその次に古いスナップショットとマージ) した後、一番古いスナップショットを削除します。
- スナップショット データを圧縮して DR サイトに転送するには、[スナップショット データのネットワーク転送の圧縮] の隣のチェック ボックスをオンにします。
- [次へ] をクリックします。
-
[ディザスタ リカバリの VM 名、vCPU、メモリ] ページで、必要な場合は DR VM に使用する名前とリソース設定を変更し、[次へ] をクリックします。
注意事項: フェールオーバーの発生時に DR VM が正しく機能するよう、これらの設定は、特に変更が必要な場合を除いて変更しないでください。
- [ディザスタ リカバリ VM ボリューム] ページで、複製されるボリュームの一覧を確認し、[次へ] をクリックします。
- [ディザスタ リカバリ VM のネットワーク] ページで次を行います。
- 左側のプルダウン メニューで、DR VM に含める仮想マシンを 1 つ、プライマリ VM から選択します。
- 右側のプルダウン メニューで、選択した仮想マシンに接続するプラットフォーム ネットワークを 1 つ、DR プラットフォームから選択します。
- [次へ] をクリックします。
注:
- DR 保護を最初に構成する際はプライマリ VM から 1 つの仮想マシンのみが DR VM に複製されますが、その後でほかのネットワークを追加できます。
- DR VM へのマイグレーションまたはフェールオーバーを行う場合、DR VM はネットワークが無効にされた状態で起動します。したがって、DR VM がアクティブな VM になる前に、ゲスト オペレーティング システムで任意のネットワーク設定を変更することができます。
- 必要に応じてネットワークを追加したり有効化するには、DR プラットフォーム上の everRun 可用性コンソールで仮想マシンの再プロビジョニング ウィザードを使用します。
- [ディザスタ リカバリの構成サマリ] ページで、DR の設定のサマリを確認します。
- [完了] をクリックし、DR による保護を初期化して VM の詳細ページに戻ります。VM の詳細ページに、ディザスタ リカバリが初期化中であることが表示されます。
数分後に One View コンソールの VM 詳細ページに新しい [DR] パネルが開き、DR VM および DM の初期化ステータスに関する情報が表示されます。
このプロセスの処理では、DR がプライマリ VM を DR サイトに複製します。さらに、DR はプライマリ VM のスナップショットを作成し、そのスナップショットを DR サイトに直ちに複製します。特に変更しない限り、DR サイトにある各 DR VM と DR スナップショットには、プライマリ サイトからのアセット ID に基づく一意の名前が割り当てられます。
One View コンソールの VM 詳細ページ、および各プライマリおよび DR サイトの everRun 可用性コンソールの[仮想マシン] ページと [スナップショット] ページで、DR のアクティビティをモニタリングできます。
初期化が完了すると、One View コンソールの VM 詳細ページにディザスタ リカバリがアクティブであることが表示されます。初期化にかかる時間は、DR サイトで複製が必要なボリュームの数とサイズによって異なります。それ以降は、RPO とスナップショット保持の設定に応じて DR のスナップショットが作成されます。これらの設定を変更する方法は、「仮想マシンのディザスタ リカバリによる保護を変更する」を参照してください。DR ソフトウェアは、DR スナップショットのインベントリを自動管理します。必要に応じて、スケジュールされている以外の DR スナップショットを作成できます。「スケジュール外のスナップショットを作成する」を参照してください。ただし、everRun 可用性コンソールから DR スナップショットや DR VM を手動で削除するには、DR による保護を無効にする必要があります。
DR がアクティブな間、One View コンソールの [仮想マシン] ページにある VM のリストに DR VM が表示されます。ここではプライマリ VM と DR VM の両方が重なったボックスとして表示され、これらの VM が DR で保護されていることがわかります。
DR による保護は everRun システムのバックグラウンドで実行されます。したがって、両方のシステムがオンラインになっていれば、One View VM がオフラインになってもスナップショットの複製処理は続行します。ただし、DR のステータスのモニタリング、DR 構成のメンテナンス、およびフェールオーバー操作の管理を必要に応じて行うには、One View コンソールへのアクセスが必要です。
関連トピック
「仮想マシンのディザスタ リカバリによる保護を変更する」
「仮想マシンのディザスタ リカバリによる保護を無効化する」
「仮想マシンのディザスタ リカバリによる保護を一時停止する」